YouTuberの確定申告(税金対策・節税対策)
YouTuberの確定申告における特有の収入や経費について、ご説明させていただき、
少しでもお役に立てば良いと考えています。
YouTuberの確定申告の所得の区分について
YouTuberの所得の区分は、「事業所得」又は「雑所得」に該当するものと思われます。
「事業所得」とは、基本的には、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人の
その事業から生ずる所得をいいます。実質基準又は形式基準により判定します。
もう少し具体的に申し上げますと、以下の要件に該当する必要があります。
(実質基準)
@ 自己の計算と危険において独立して営まれていること。
A 営利性・有償性を有していること。
B 反復継続的に事業を遂行していること。
C 社会的な地位を客観的に認められる業務から生じる所得
「事業所得」に該当しない場合には、自動的に「雑所得」に該当することになります。
(形式基準)
@ 記帳・帳簿書類の保存がある
A 収入金額が300万円を超えている
B その収入金額が主たる収入金額の10%以上である
C 例年、所得金額が赤字でない
形式基準の@〜Cの要件に、全て満たしている場合は、「事業所得」の可能性が高いと思われます。
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YouTuberを副業で行う場合には、
「事業所得」に該当するのか、それとも「雑所得」に該当するのか、判断を行う必要があります。
アドセンス(AdSense)の広告配信サービスの消費税の取扱いについて
2019年3月1日にて、「Google」から下記のメールが送られてきていると思います。
「【重要】Google Adsアカウントに関する契約譲渡及び規約変更のお知らせ」
そのメールの中に、GoogleAdsの運営会社が2019年4月1日より「Google Asia Pacific Pte.Ltd.」から
「グーグル合同会社(国内会社)」に変更する旨の記載があるようです。
ただし、2024年2月現在、Google Adsアカウントの契約先は外国法人のままとされています。
念のため、契約内容をご確認して頂けると助かります。
「アドセンス(AdSense)」の報酬は、引き続き、「国外取引(不課税取引)」のままとなります。
「アドセンス(AdSense)」のYouTuberに対する報酬(消費税の課税区分)について
・平成27年9月30日までは「国内取引(輸出免税取引)」
・平成27年10月1日〜平成31年3月31日は「国外取引(不課税取引)」
・2019年4月1日以降も「国外取引(不課税取引)」
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YouTuberの総収入金額(確定申告)
■ YouTuberの総収入金額は、収入金額の合計額をいいます。
YouTuberの収入金額のうち、主なものは以下のとおりになります。
@ Googleアドセンス広告収入
A スーパーチャット収入(スパチャ)
B Super Thanks収入
C YouTubeチャンネルメンバーシップ
D 企業PR案件収入
E アフィリエイト広告収入
F グッズ等の商品販売収入 など
■ Googleアドセンス広告収入を売上高(収入金額)に計上するタイミングは、
Googleアドセンス広告収入が入金された日ではなく、Googleアドセンス広告収入が確定した日に計上します。
例えば、Googleアドセンス広告収入の入金日が令和8年1月20日の場合においても、
その入金された金額が、令和7年12月に確定したGoogleアドセンス広告収入の場合には、
売上高の計上時期は、令和7年12月になります。
売上が入金されていない場合においても、令和7年の売上高に計上して確定申告を行う必要があります。
ご注意してください。
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撮影用の機材を売却した場合には注意が必要です(収入金額)
■ YouTubeの撮影用として利用した機材(必要経費として計上したもの)を売却した場合には、
事業の遂行上生じた付随収入として、「売上高」ではなく、「雑収入」として収益計上を行う
必要があります。
税務調査のときには、必ずご指摘される項目なので注意が必要となります。
YouTuberの総収入金額に該当しないもの(主なもの)
■ 普通預金の利子(「利子所得」に該当し、税引後の金額が入金されます。)
■ 原稿料・講演料(「雑所得」に該当。)
■ 自動車などの固定資産の売却収入(基本的には「譲渡所得」に該当。)
■ 不動産の賃貸収入(「不動産所得」に該当。)
書類の保存義務(収入金額)
■ 収入金額を証明するために、契約書(控)・領収書(控)などの書類を保存。
※1取引当たりの金額が5万円以上で100万円以下の場合には、
200円の収入印紙を貼付し消印します。
■ 「平成26年4月1日以降」の領収書の収入印紙の貼付は、3万円以上ではなく、
5万円以上になりますので注意が必要です。
■ 書類の保存義務期間は、原則7年(重要)です。
YouTuberの必要経費(確定申告)
■ YouTuberの必要経費は、
YouTuberの収入金額に対応する部分の費用をいいます。
YouTuberの必要経費のうち、主なものは以下のとおりになります。
@ 撮影用の機材 A 取材費
B コンテンツ商材費 C コンテンツ制作代行費
D レンタルサーバー代 E HP作成料・広告料
F ネット広告関連本 G セミナー・交流会参加費
H セミナー・交流会参加費 I ネット広告関連の協会の会費
J 地代家賃(事業用部分) K チラシ・名刺作成・印刷費
L 交通費 M 減価償却費
N 消耗品・備品類(10万円未満)
O 水道光熱費のうち事業用部分
P 携帯電話などの通信料のうち事業用部分 など
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YouTuberの必要経費に該当しないもの(主なもの)
@ 生活費
A 所得税・個人住民税
B 国民健康保険・国民年金(「所得控除」に該当。)
C 医療費・生命保険料・地震保険など(「所得控除」に該当。)
D 住宅借入金等の利子
E プライベート旅行中にオマケとして動画撮影した旅費等
F 動画編集のために利用したカフェのうち食事代部分
G 携帯電話などの通信料のうち家事用部分 など
書類の保存義務(必要経費)
■ 必要経費を証明するために、契約書・請求書・領収書などの書類を保存。
@ 領収書を受領する場合:
日付・支払金額・名前(屋号)・但書きは必ず記載してもらうこと。
A レシートを受領する場合:
レシートも領収書と同様に証拠資料となるため、必ずもらうこと。
B 領収書を受領することができない場合:
出金伝票に記載し、証拠品があれば一緒に添付します。
(冠婚葬祭のご祝儀や香典・自動販売機でのジュース購入など。)
■ 書類の保存義務期間は、原則7年(重要)です。
YouTuberが税理士等に支払う報酬等に対する源泉徴収義務
YouTuberが税理士や弁護士・社会保険労務士等に対して報酬等を支払う場合には、
報酬等に対して所得税を控除した金額を支払います。
所得税を報酬等から控除することを「源泉徴収」といいます。
ただし、下記に該当する場合には報酬等に対して「源泉徴収」をする必要はありません。
@ 税理士法人・弁護士法人等の士業法人に対する報酬等
A 行政書士に対する報酬等(建築代理士の行う業務で一定のものは除く。)
B 給与等の支払いがなく、税理士報酬等のみを支払っている人
(従業員等を雇用せずに一人で個人事業を行っている人が対象となります。)
「源泉徴収」した所得税については、原則として、
税理士等に報酬等を支払った月の翌月10日までに国に納付しなければなりません。
税理士や弁護士等と顧問契約をしている場合には、注意が必要となります。
ただし、給与の支給人員が常時10人未満のときは、
「源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出して
承認を受けることにより6ヶ月分をまとめて年2回の納付とすることができます。
@ 1月から6月までの源泉徴収した所得税については、7月10日までに納付。
A 7月から12月までの源泉徴収した所得税については、翌年1月20日までに納付。
源泉所得税の納期限に遅れてしまうと、
不納付加算税と延滞税が納付義務者に課せられる可能性があります。
納期限までに納付することを忘れずに行ってください。
(具体例)
YouTuberの個人事業:
1.正社員1名・アルバイト2名(月額給料50万円:所得税11,610円)
2.税理士の月額顧問料(月額32,400円:所得税3,063円)
(原則)令和07年6月支払分:源泉徴収の11,610円+3,063円=14,673円
→ 令和07年7月10日までに14,673円を国に納付します。
(特例)令和07年7月15日に「源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出。
→ 当該申請書を提出した令和07年7月分は原則として取扱われます。
したがって、令和07月10日までに14,673円を国に納付します。
→ 当該申請書を提出した月の翌月(令和07年8月分)から特例の適用を受けることができます。
→ 令和07年8月から12月までの5ヶ月分の14,673円×5=73,365円を
令和08年1月20日までに国に納付します。
(税理士報酬等の源泉徴収の計算)
源泉徴収の対象となる報酬等は、税理士や社会保険労務士などの業務に対するものです。
なお、謝金、調査費、日当、旅費などの名目で支払われるものも源泉徴収の対象となります。
ただし、下記に該当する場合には報酬等に対して「源泉徴収」をする必要はありません。
@通常必要な範囲内の交通費、宿泊費等を支払者が直接、交通機関やホテル等に支払う場合
A弁護士等に支払う金銭等であっても、支払者が国等に対し登記、申請をするため本来納付すべきもの
とされる登録免許税等に充てるものとして支払われたことが明らかな場合
報酬等の中に消費税等の額が含まれている場合は、
原則として、消費税等の額を含めた金額を源泉徴収の対象とします。
請求書等において、報酬等の額と消費税等の額が明確に区分されている場合には、
その報酬等額のみを源泉徴収の対象とする金額として差し支えありません。
税理士報酬等の源泉徴収の計算方法
1.報酬等の額が100万円以下の場合には、報酬等の額に対して10.21%
(具体例)50万円の税理士報酬の場合 50万円×10.21%=51,050円
2.報酬等の額が100万円超の場合には、
100万円までの報酬等の額に対して10.21%、100万円超の報酬等の額に対して20.42%
(具体例)190万円の税理士報酬の場合
@100万円×10.21%=102,100円 A90万円×20.42%=183,780円
B合計額 102,100円+183,780円=285,880円
個人事業税が課税されるYouTuberの対象者
(Q)YouTuberを行っている人は、全員、個人事業税を納付することになるのでしょうか。
(A)個人で事業として、YouTuberを行っている人のうち、
基本的には、事業所得の総収入金額から必要経費を控除した金額が、年間290万円を超える場合、
その超える部分の金額に対して、5%相当額の個人事業税が課税されます。
令和04年において、金沢県税事務所がYouTuberに対して行った賦課について、
「広告業」に該当するものと裁決され、個人事業税の対象とされた事例があります。
※雑所得でも課税の対象となる場合もありますので注意が必要となります。
【 個人事業税の計算方法について(YouTuberの場合)】
個人事業税の計算式
=( @ + A − B − C − D ) × 5%
@ 事業所得(青色申告特別控除前の金額)
A 所得税の事業専従者給与(控除)額
B 個人の事業税の事業専従者給与(控除)額
C 繰越控除額
・白色申告者:被災事業用資産の損失の繰越控除 他
・青色申告者:損失の繰越控除
D 事業主控除:年間290万円(営業期間が1年未満の場合は月割額)です。
ソフトウェアは償却資産税の課税対象?
(Q)今年の6月にソフトウェアを300万円で購入したのですが、
このソフトウェアは、償却資産税の課税対象となるのでしょうか。
(A)結論から申し上げますと、ソフトウェアは償却資産税の課税対象とはなりません。
償却資産税の対象とならない資産の中に、無形固定資産が含まれており、
ソフトウェアは無形固定資産に含まれるため償却資産の課税対象とならないと思われます。
パソコンと一緒にソフトウェアを購入する場合には、
見積書や請求書の明細は、パソコンの本体価額とソフトウェアの購入価額を区分することにより、
償却資産税の節税に繋がります。
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予定納税額の減額申請書の検討(YouTuber)
(Q)令和06年分のYouTuber収入は、思っていたよりも順調に推移しました。
その結果、令和06年分の確定申告書を作成したところ、所得税を多額に納付することになりました。
しかし、令和07年に入り、今までのSEO対策がうまくいかず、しかも、
YouTuber収入の基盤となっていたチャンネルが収益の無効化となり、毎月のYouTuber収入が
80%超も減少する事態となりました。
令和07年6月に、税務署から「令和07年分所得税及び復興特別所得税の予定納税額の通知書」が
自宅に届き、中身を確認したところ、下記の内容が記載されていました。
@ 予定納税基準額:2,400,000円
A 予定納税額(第1期分):800,000円(納税期限:令和7年7月31日まで。)
B 予定納税額(第2期分):800,000円(納税期限:令和7年12月1日まで。)
税金の知識が全くなく、YouTuber収入も見込まれない状態のため、納付する資金がありません。
なにか、良い方法はありますか。よろしくお願いいたします。
(A)結論から申し上げますと、「予定納税額の減額申請書」の提出をご検討してみてはいかがでしょうか。
まず初めに行うことは、
@ 令和07年1月1日〜令和07年6月30日の実際の損益計算書の作成
A 令和07年7月1日〜令和07年12月31日の予定の損益計算書の作成
B 令和07年分の予想損益計算書(@+A)
売上高や所得金額を総合的にみて、50%超減少する場合には、「減額申請の理由(業績不振)」として
「予定納税額の減額申請書」を作成し、予定納税額(第1期分・第2期分)の減額を申請してください。
ただし、「予定納税額の減額申請書」には、申告期限がありますので注意が必要となります。
@ 予定納税額(第1期分・第2期分)の減額申請:その年の7月1日〜7月15日まで。
A 予定納税額(第2期分)の減額申請:その年の11月1日〜11月15日まで。
YouTuberを「副業」とする場合(個人の確定申告)
(Q)「副業」として、YouTuberを行う場合の確定申告の手続きについて教えてください。
(A)「副業」として個人事業(YouTuber)を行う場合には、
「個人事業の開業届出書」を所轄の税務署に提出する必要はありません。
「副業」の場合においては、基本的には、「雑所得」として確定申告をする必要があります。
「雑所得」の場合には、「青色申告」を適用することはできません。
※ ただし、一定の要件に該当する場合には、「事業所得」として申告することも可能となります。
■ 以下の要件に該当する場合には「確定申告」を行う必要はありません。
1.給与等を1か所から受けている者で、
給与所得及び退職所得以外の所得の合計額が20万円以下の者。
2.給与等を2か所から受けている者で次の@又はAに該当する者
@ 従たる給与等の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得との合計額が20万円以下の者
A 給与等の収入金額の合計額が、
雑損控除・医療費控除・寄付金控除・基礎控除以外の控除額の合計額に
150万円を加算した額以下の金額で、かつ
給与所得及び退職所得以外の所得の合計額が20万円以下の者
■ 1及び2に該当する場合でも、源泉徴収税額が正規の税額より多い場合には、
確定申告をすることにより還付されます。
YouTuberを副業としているケース(会社員からのご質問)
(Q)会社員をしながら副業でYouTuberを行っております。
YouTuberの副業の所得については、
令和06年の総収入金額が150万円であり、必要経費が140万円であり、所得金額は10万円です。
給与は、会社員として働いている給与のみで「給与所得」は500万円です。
この場合には、確定申告を行う必要がありますか。よろしくお願い致します。
(A)ご質問のケースの場合には、
総収入金額から必要経費を控除した所得金額が10万円となります。
給与等を1か所から受けている人で、
給与所得及び退職所得以外の所得の合計額が20万円以下のため、確定申告を行う必要はありません。
会社員として会社から支給された「給与所得」と副業(YouTuber)の「雑所得」を合算して、
確定申告を行う必要はありません。
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平成26年1月からの記帳・帳簿等の保存制度(YouTuber)
平成26年1月から、個人の白色申告の方で、事業や不動産貸付等を行う全ての方は、
記帳と帳簿書類の保存が必要です。
※所得税及び復興特別所得税の申告が必要ない方も、記帳・帳簿等の保存制度の対象
となります。
■ 記帳する内容について
@ 売上げなどの収入金額、仕入れや経費に関する事項について、
・取引の年月日
・売上先・仕入先その他の相手方の名称
・取引金額
・日々の売上げ・仕入れ・経費の金額等を帳簿に記載します。
A 記帳に当たっては、一つ一つの取引ごとではなく
日々の合計金額をまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっています。
■ 記帳等の保存について
収入金額や必要経費を記載した帳簿のほか、
取引に伴って作成した帳簿や受け取った請求書・領収書などの書類を保存する必要があります。
@ 帳簿の保存期間
・収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)→ 7年
・業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) → 5年
A 書類の保存期間
・決算に関して作成した棚卸表その他の書類 → 5年
・業務に関して作成し、又は、受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類 → 5年
小規模企業共済の加入の検討
(Q)副業ではなく本業でYouTuberしていますが、
「小規模企業共済」に加入することができますか、教えてください。
(A)「小規模企業共済」とは、小規模企業の個人事業主が事業を廃止した場合や会社等の役員が
役員を退職した場合など、第一線を退いたときに、それまで積み立てた掛金に応じた共済金を
お受け取りになれる共済制度です。
■ YouTuberの加入要件
@ YouTuberを営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主
または、法人(会社など)の役員
A 小規模企業者たる個人事業主に属する共同経営者
(個人事業主1人につき2人まで)
■ YouTuberでも加入することができない場合
@ サラリーマンなどの給与所得者が副業でYouTuberを行っている場合
※主たる事業が会社員であり、小規模企業者に該当しないためです。
A 直接営利を目的としない法人の役員の方。
B 「中小企業退職金共済制度(中退共)」、「建設業退職金共済制度」、
「清酒製造業退職金共済制度」、「林業退職金共済制度」の被加入者の方。
■ 掛金の取扱い
掛金月額は、1,000円〜70,000円の範囲内で自由に選択できます。
加入後も掛金月額を変更することができ、支払方法も「月払い」、「半年払い」、
「年払い」から選択できます。
■ 税法上の取扱い
小規模企業共済の掛金を支払った場合、その支払をした年分の個人の所得から
「小規模企業共済等掛金控除」として、全額を控除することができます。
■ 共済金の受取りの取扱い
共済金は、加入後6ヶ月以降における廃業や退職などの事由が生じた場合、
掛金の納付月数を基準として法令で定められた額を受取ることができます。
満65歳以上で15年以上掛金を納付した場合、
事業を継続していても共済金を受取ることができます。
共済金の受取方法は、「一括」、「分割」、「一括と分割の併用」を選択できます。
■ 共済金の税法上の取扱い
@ 「一括」の場合には、「退職所得」として取扱います。
A 「分割」の場合には、「雑所得(公的年金等)」として取扱います。
■ 「小規模企業共済制度」の具体的な内容は、以下のHPを参照してください。
小規模企業共済制度(中小機構HP)
経営セーフティ共済の加入の検討
(Q)副業ではなく本業でYouTuberしていますが、
「経営セーフティ共済」に加入することができますか、教えてください。
(A)「経営セーフティ共済」とは、取引先の事業者が倒産し、売掛金債権等が回収困難になった場合に、
貸付けが受けられる共済制度です。「もしも」のときの資金調達手段として当面の資金繰りを
バックアップします。
■ YouTuberの加入要件(個人事業主)
1年以上継続して個人事業を行っている方でかつ従業員数が300人以下の方が対象となります。
■ 掛金の取扱い
掛金月額は、5,000円〜200,000円の範囲内(5千円単位)で自由に選択できます。
加入後も掛金月額を変更することも可能です(一定の要件があります。)
支払方法も「月払い」、「前納(一括納付)」から選択することができます。
■ 税法上の取扱い
セーフティ共済の掛金を支払った場合、
その支払をした年分の事業所得の必要経費に算入することができます。
※事業所得以外の収入(不動産所得等)は、
掛金の必要経費の算入が認められないため注意が必要となります。
■ 貸付けが受けられる条件・貸付金額
取引先事業者が倒産して売掛金債権等が回収困難となった場合に貸付けが受けられます。
取引停止処分や私的整理等は対象となりますが、夜逃げは対象外となりますので注意が必要となります。
貸付けが受けられる金額は、「回収困難となった売掛金債権等の額」と「掛金総額の10倍に相当する額
(最高8,000万円)」のいずれか少ない額となります。
■ 解約と解約手当金の取扱い
共済契約の解約には、
@任意解約:契約者が任意に行う解約
A機構解約:契約者が一定期間の掛金の滞納や不正行為などが発覚した場合、機構が行う解約
Bみなし解約:契約者が死亡等した場合、その時点でおいて解約したものとみなす
解約手当金とは、掛金を12ヶ月分以上納付した方に支給されるものです。
掛金の納付された月数に応じて、掛金総額に一定の率を乗じて計算した額が支給されます。
自己都合の任意解約の場合
@12ヶ月分以上の掛金を納付している場合には、最低80%以上の解約手当金が受取れます。
A40ヶ月分以上の掛金を納付している場合には、掛金総額の全額を解約手当金として受取れます。
解約手当金は、支給を受けた年分の事業所得の雑収入として算入する必要があります。
■ 「経営セーフティ共済制度」の具体的な内容は、以下のHPを参照してください。
経営セーフティ共済制度(中小機構HP)
個人事業主(青色申告)の節税シミュレーション
個人事業者(YouTuber)が白色申告から青色申告に変更した場合(32歳の場合)
■消費税は免税事業者 ■青色申告特別控除(65万円を適用)
■所得控除は未対応
令和7年 |
白色申告の場合 |
青色申告の場合 |
売上高 |
13,200,000 |
13,200,000 |
経費金額(40%) |
△5,280,000 |
△5,280,000 |
利益金額(60%) |
7,920,000 |
7,920,000 |
青色申告特別控除額 |
0 |
△650,000 |
最終利益金額 |
7,920,000 |
7,270,000 |
■納付すべき税金
令和7年 |
白色申告の場合 |
青色申告の場合 |
所得税 |
1,185,600 |
1,036,100 |
個人住民税 |
792,000 |
727,000 |
個人事業税 |
251,000 |
251,000 |
国民健康保険 |
778,960 |
711,360 |
国民年金 |
210,120 |
210,120 |
合計額 |
3,217,680 |
2,935,580 |
個人事業主から合同会社を設立をする場合の節税シミュレーション
個人事業主(消費税は免税事業者)が合同会社を設立した場合(消費税は免税事業者)の税金の比較表(概算)
を作成いたしました。所得控除は未対応です。
(YouTuber:35歳の場合です。)
令和7年 |
個人事業の場合 |
法人事業の場合 |
売上高 |
11,000,000 |
11,000,000 |
経費金額(30%) |
△3,300,000 |
△3,300,000 |
利益金額(70%) |
7,700,000 |
7,700,000 |
青色申告特別控除額 |
△650,000 |
0 |
役員報酬(月額40万円) |
0 |
△4,800,000 |
健康保険負担分(合同会社負担分) |
0 |
△279,462 |
厚生年金保険負担分(合同会社負担分) |
0 |
△516,060 |
児童手当拠出金 |
0 |
△17,280 |
最終利益金額 |
7,050,000 |
2,087,198 |
■納付すべき税金・社会保険料・合同会社設立関連費用
令和7年 |
個人事業の場合 |
法人事業の場合 |
所得税 |
985,500 |
252,500 |
個人住民税 |
705,000 |
340,000 |
個人事業税 |
240,000 |
0 |
国民健康保険 |
688,480 |
0 |
国民年金 |
210,120 |
0 |
健康保険 |
0 |
558,924 |
厚生年金保険 |
0 |
1,032,120 |
児童手当拠出金 |
0 |
17,280 |
法人税 |
0 |
345,200 |
法人事業税 |
0 |
100,000 |
法人住民税 |
0 |
91,900 |
合同会社設立費用 |
0 |
150,000 |
社会保険手続関連手数料 |
0 |
60,000 |
合計額 |
2,829,100 |
2,947,924 |
税理士報酬・料金・費用の事例(法人・確定申告)
税務顧問契約に係る共通の標準料金表は次の通りです。